前立腺肥大症とは
前立腺は膀胱の下にあり尿道を取り囲むようにして存在しています。
男性にしかなく、成人では精液を作っています。この前立腺は年齢と共に変化していきます。大きくなったり、前立腺の筋肉が過剰に収縮したりして、尿道が圧迫されるようになると排尿に不具合が出てきます。このような状態を前立腺肥大症といいます。名前からすると前立腺が大きくなるだけと思われがちですが、大きくなくとも前立腺の筋肉が過緊張することで排尿に不具合を起こせば前立腺肥大症となります。
55歳以上の5人に1人が悩む病気
前立腺肥大症に悩む人の数は、年齢が高くなるにつれて増えています。増え始めるのは50歳を過ぎてから。統計によれば、55歳以上の男性の2割、5人に1人は前立腺肥大の症状があることがわかっています。
前立腺肥大症の症状
前立腺肥大の症状は、具体的には次の7つがあげられます。
- 排尿後、まだ尿が残っている感じがする(残尿感)
- トイレが近い(頻尿)
- 尿が途中で途切れる(尿線途絶)
- 急に、尿意をもよおし、もれそうで我慢できない(尿意切迫感)
- 尿の勢いが弱い(尿勢低下)
- おなかに力を入れないと尿が出ない(腹圧排尿)
- 夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)
診断と治療
排尿で気になることがある場合、受診して下さい。
まず問診でどんな症状で困っているかを伺います。自覚症状の程度が判ったら、前立腺や膀胱、尿道の状態を調べるための検査を行います。排尿障害があるからといって、必ずしも前立腺肥大症とは限りませんから、他の病気の可能性も含めて、尿検査、超音波検査、血液検査などを行います。さらに詳しく調べるために尿流測定、残尿測定、経直腸エコー、レントゲン検査をすることもあります。
お薬による治療が主体ですが、病状によっては手術やその他の治療法をすることもあります。